SMエンターテインメントの買収戦にカカオが再び参戦したというニュースが報道されて関心を集めています。まず、昨年10月、CJがSMエンターを買収しようとしているというニュースを振り返ってみましょう。当時、CJがSMエンターのイ·スマン会長の持分全てを引き受けると伝えられました。会長は70歳を越え、引退を考える年齢になりました。すでに11年前に経営からは退きましたが、プロデューサー(以下、PD)として現在も現場で振付けも行っています。会長の3人の息子はSMエンターの経営にはあまり関心がないため、イグジットの方向に舵を切ることになったと想像できます。
イ·スマンPDが立てたビジョン「SMCU(SMカルチャーユニバース)」は、SMの文化資産を土台にユニバースを作るという構想で、このユニバースが実装されるのがCAWMAN(Cartoonの「C」, Animationの「A」, WebToonの「W」, Motion Graphicの「M」, Avatarの「A」, Novelの「N」を組み合わせた造語)です。この魅力的な構想に関心を示したのはKAKAOです。しかし、条件が合わなかったり、国政監査でKAKAOが標的になった時期でもあり、一旦KAKAOは手を引きました。そしてCJが接触を開始します。
時をさらに戻すと、CJは一昨年10月、6千億ウォン台でNAVERと株式交換をしました。NAVERは昨年10月末、CJと6千億ウォン台の株式交換を通じて互いに持分を確保し、共同運命体になりました。この時に注目されたのはコマースでした。「NAVERショッピング」と連携し、物流をCJ大韓通運が担当し、CJ系列会社が入店する方式です。また同時期に、NAVERはSMエンターに1千億ウォンを投資しています。 NAVERが保有しているV-liveとSMの提携を本格化するための投資でした。その後、NAVERウェブトゥーンの説明会でキム·ジュング代表が「スーパーキャスティング」を発表しました。DC、BTSのHYBE等、様々なIP事業者のオリジナルコンテンツをWeb漫画化して紹介するというプロジェクトです。 先日、BTSウェブトゥーンで世界中の注目を集めたばかりです。
つまり、CJとNAVERとSMが三角構図を形成していたわけです。
さて、時を経て、今回、韓国投資銀行業界の言葉を引用して報道し、KAKAOがSMエンターの大株主であるイ・スマンPDの持分全体18.72%と、新株も含めて保有持分率を引き上げ約1兆ウォンで買収すると報道しました。ただ、SMエンターもKAKAOも「現在までいかなる内容も確定していない」という発言をしています。
今回何故KAKAOが買収戦に再参戦したかの理由を考えてみますと、SMエンターを買収することになれば、協業の実質メリットのみならず、KAKAOエンターが上場会社であるSMと合併して迂回上場できる道が開かれます。最近韓国では、親会社が保有する子会社持分価値が低評価される現象を問題として、KAKAOエンターの上場計画も見直されているという経緯があります。
今回の報道が事実かどうかはまだ様子を見る必要がありますが、エンタメ界の最も熱い「売り物」として浮上しているイ·スマンPDの持ち分をめぐり、関心が集まっています。