※すでに7月ですが、6月に連載スタートした作品で、韓国Webinの編集人がレコメンドした作品を紹介します。取り上げる新作がスペクタクルなファンタジーアクション作品ではなく、人気作家の新作が多いのではWebinの編集人の好みかもしれませんが、日本も漫画でも人気作家の続編は期待が集まるのと同じだと思います。
~NAVERウェブトゥーン編~
①『マルは子犬』:文・絵:モジョ
22.06.13~NAVERウェブトゥーンにて連載開始
昨年大人気作品の『モジョの日誌』を完結させたモジョ作家の新作です。「うちの犬が人間になったの?」というユニークな作品で、かつて流行した<君はペット>のようなものか?ということを想像して1話を見てみると、モジョ作家がこのようなロマンスウェブトゥーンらしい絵柄でも描けることに驚かされます。とは言えよく見ると、キャラクターの表情に「やはりモジョ作家だ」と感じました。『モジョの日誌』の名声はすでに新作の連載1話で多くの絶賛コメントが集まっています。
②『傘のない子』:文・絵:ロミット
22.06.12連載開始~NAVERウェブトゥーンにて連載開始
仲睦まじい家庭に住むヨルムは毎晩、上の階の夫婦が喧嘩する音でまともに眠れませんでした。ヨルムの家族は喧嘩をする上の家から逃げてきたスワンの面倒を見ましたが、中学生のヨルムが大学生になるまで状況は良くなりませんでした。授業料を稼ぐために遊園地でアイスクリームを売るアルバイトをしていたヨルムがくれたチケットのおかげで、スワンは母と遊園地に来ることになります。そしてスワンは捨てられます…。
これは1話のストーリーですが、話を積み上げていく能力、そしてそれを説得力を持って伝える演出力が極めて優れている作品です。乾燥した人生の物語の中で発生する恐怖の瞬間を捉え、それを主人公のヨルムの人生の中に染み込ませる説得力が目立ちます。かつて松本清張の「鬼畜」のドラマや映画で、遊園地で子供を捨てるシーンが衝撃的でしたが、この『傘のない子」も「これは映像化するだろうな!」という予感がしました。
③『虎の神伝』
著・絵:コチュツナ
22.06.05~NAVERウェブトゥーンにて連載開始
24のヨンファには変わった花婿がいます。22歳のジボム。ボムは「虎」の意味です。話しかけたり歩いたりするトラの新郎、文字通りトラの新郎の話です。彼らの恋愛談、初回からインパクトが相当です。カットトゥーン(コマ毎のシンプルなウェブトゥーン)なので気軽に楽しむことができるという点も一役買っています。絵柄がまるで水墨淡彩画をめくっているような幻想的な作品で、韓国ウェブトゥーンの底深さと、読者層の多様性を感じることができます。
④『月が消えた夜』
文・絵:ファン・ジウム
22.06.06~ NAVERウェブトゥーンにて連載開始
国に戦争が絶えなかった暴君が治めていた時代。「類例のない寒さが訪れる冬、大きな満月の下で生まれる子供が国に大成をもたらすだろうと考えられていた。しかし、その子は殺戮に狂って国を滅ぼすこともありうる」という予言が下ります。
そしてその日生まれた世子は、まるで渇きを潤わすかのように殺生を繰り返します。殺生のための狩りに出かけた世子が発見したのは、家の外を一時も出られずに暮らしていた辺境の女の子ホン·ヘスでした。
平凡なロマンスのように見えますが、ヘスには特別な秘密があります。ヘスはり、太子ほど血に飢えたもう一つの人格を隠して生きていたのです。ロマンスファンタジーが大勢の今、仮想の歴史を土台にしたスリラー作品です。
~KAKAOウェブトゥーン編~
⑤『今から続編が始まります』
文:チェ·ギョンミン、絵:ヨンソン
22.06.08~ KAKAOウェブトゥーンにて連載開始
『聖書の歴史』と『書き直す恋愛史』のチェ·ギョンミン作家と、『G-day』(レジンコミックス)のチェ·ヨンソン作家の共作ですが、 この2人はすでにYlabの『平和先導部』で共にしたことがあります。 まさに『G-day』の続編なのかと思わせるようなスリラー物です。
有名小説家を無名の時から応援してきたファンクラブ。その小説家は事故で亡くなりました。それから1年後、ファンクラブカフェのリーダーが「今から続編が始まります」というメッセージと共に死んだまま発見されます。ファンクラブのメンバーたちを順番に一人ずつ紹介するのが、まるでアガサ·クリストの小説を連想させ、スリラージャンルの雰囲気をしっかり盛り上げます。 こういう画風は、日本では受けいられにくいのですが、作家性や作品性に優れた作品ですので日本でも公開して欲しいですね。
⑥『別れにおいでよ』
文:砂人間、絵:カマルソル
22.06.10~ KAKAOウェブトゥーンにて連載開始
『ゾンビのための国はない』の砂人間作家が復活しました。1話から主人公が死んで始まるという設定のこの作品。 この作品の背景は宇宙惑星で、地球からとても遠く離れた、あらゆる宇宙生命体が生きている死後の世界です。死者たちがいるところなのに、ここでの「人生」というアイロニーな発想がこの作品の面白さでしょう。死んで死後の世界に来た主人公のソハは科学者で、研究をしながら息子に対する懐かしさを忘れようと最善を尽くしますが、そうであればあるほど意図しないことが次々に起こります。
⑦『裏切り主義ロマンス』
南方果物茶、OJ
22.06.2~ KAKAOウェブトゥーンにて連載開始
小学校の時から友達だったペ·シンジュ、チャン·マロ、ユ·ハナ、チョ·ジフンの4人。高校2年生のある日、マロが以前から好きだったとシンジュに告白します。シンジュはマロが嫌いではなかったが、4人の友情を考えて悩んだ末に断ったが、断ったその日にハナとジフンが付き合うという知らせを伝えます。裏切りじゃないかって、これ…。
裏切りに注意しろというロマンスと、主人公の裏切り主義ロマンスという二重的な意味のタイトル。一体シンジュはどんなロマンスを見せるのかが楽しみな作品です。
⑧『竜宮から来たお客様』
Hanna/22.06.28~
KAKAOウェブトゥーンにて連載開始
1964年、海雲台に200歳と推定される巨大亀が現れたそうです。人々は亀を歓待して優しく接してから亀を再び海に帰らせたそうです。記事としても残っているこの実際の出来事をモチーフにウェブトゥーンが作られました。
主人公のキヨンは、歓待された後、再び竜宮に戻ってきたウミガメです。竜宮に帰ってきて一生懸命働き58年が過ぎた今、キヨンは当時歓迎された記憶とその時会った友人に再び会うために人間の世界に行きます。でも人間界は記憶していた姿とは違うようになってしまったし、匂いを追って出会った人は友達ではなく女の子?
実在の出来事を素材に物語を作り出した独特な新作です。